エルサルバドル政府は「ビットコイン債券」の発行に動いています。
昨年末辺りから少しずつニュースに出ていましたが、ついに今週末には発行される可能性があるとの報道がありました。
今回はこれについて考察してみました。
こんな人におすすめ
・エルサルバドルのビットコインに関する動向が気になる人
・ビットコインの価格動向を知りたい人
・仮想通貨の状況を学びたい人
1|BTC債券とは

BTC債券とは、エルサルバドルが仮想通貨推進特区「ビットコイン・シティ」の建設費用を調達するために昨年発表した債券です。
BTC建てで、年率6.5%(米ドル換算)の10年債券です。
| 債券価格 | BTC価格に連動 |
| 年率 | 6.5%(米ドル換算) |
| 債券期間 | 10年 ただし5年間は売却できない |
| 値上がり益の扱い | BTCの値上がり益の50%を債券購入者に還元 |
| 調達規模 | 10億ドル |
| 使用用途 | ①ビットコイン・シティの建設費用 ②政府のビットコインファンドに渡りBTC購入費用 |
| 購入方法 | Bitfinex(1口100ドルから) |
5年間のロックアップ期間が設けられ、購入後5年間は売却ができない制度です。
また、ロックアップ期間中にBTCが値上がりした場合は、値上がり益の50%を債券購入者に還元することになっています。
調達規模としては10億ドルを予定しており、その50%を「ビットコイン・シティ」の建設費用へ、残りの半分はエルサルバドル政府のビットコインファンドに渡りBTC購入に活用されます。
債券の発行時期としては、3/15~3/20が有力とされており、ウクライナ情勢を加味して後ろ倒しも検討中とのことです。
なお、Bitfinexで一口100ドルから誰でも購入できる計画になっています。
2|実際のところ、買うのはアリなのか?

面白い取り組みですが、結論としては買うのはおすすめしません。
ビットコインの債券という所に目が行きがちですが、そもそもエルサルバドルが発行する債券になるので、エルサルバドルの信用が大きく影響します。
2-1|エルサルバドルの信用について
エルサルバドルに対する、アメリカの代表的な格付け会社の評価は下のようになっています。
S&P B-
フィッチ CCC
ムーディーズ Caa1 (CCC相当)
日本の格付け会社の基準に合わせると次のようになります。

R&Iサイトより
https://www.r-i.co.jp/rating/about/definition.html
格付け会社によって評価軸、基準が異なるため、実際は各会社の基準を確認することが必要ですが、今回は簡略化し日本の格付け会社R&Iの基準を参考に考えます。
ちなみに、ロシアの格付けは元々「BB+」だったのが、ロシア制裁にとって3/17時点で「CC」まで落ちています。(S&P格付けによる)
このことからもエルサルバドルの格付けが決して高くないことが分かるかと思います。
さらに、一般的に機関投資家はBBB(トリプルビー)までを投資の適格範囲とするため、エルサルバドルに関しては全くの投資不適格であり、投機的なハイイールド債ということになります。
このことから、エルサルバドルはデフォルトし債務不履行の可能性があり、元本すら戻らない危険性があるため、BTC債券はお勧めできません。
2-2|リターンについて
リターンについても疑問があります。
10年債で年利6.5%とあるので、そこから簡単に計算しますが、100万円分を購入したとすると、年間で得られる金額は6.5万円です。
また値上がり益は50%しか還元されないので、100万円が200万円になったとしても利益は63万円です。
利息:200万x6.5%=13万円
値上がり還元益:(200万-100万)x50%=50万円
利益合計:13万+50万=63万円
このように、普通にBTCを持っていた方がリターンとしても大きくなると考えられます。
この点からもBTC債券の保有には疑問があります。
3|【まとめ】BTC価格への影響もあまりなさそう

エルサルバドルはBTC債券を10億ドル分発行する計画と発表しています。
一方でBTCにおける世界の1日あたりの出来高は、約220~350億ドルです。

BTC債券全ての販売額10億ドルでさえ、1日の出来高に対しては5%も占めていません。
BTC債券を1日で売買される金額に換算したら、もっと影響度は低くなります。
つまり、BTC債券を発行しても、BTC価格に直接影響する要素は小さいと考えられます。
もし影響を与えるとしたら、直近ではBTC債券誕生のニュースが発表がされた時になると思います。
ニュースの見出しを見て「BTC債券!注目されてる!価格も上がる!」のように想像する個人投資家、トレーダーが買いを入れることで一時的に上昇するシナリオは考えられます。
ただそれも、最初の上場時のインパクトだけで、BTC価格の上昇要因にはなりにくいと思います。
このようにBTC債券はBTC価格にも影響しにくく、債券自体もとてもリスクの高い商品と考えています。
「BTC債券」を安易に購入すると、後で痛い目を見る可能性があるので、買う人はしっかり評価して納得してから買いましょう。
個人的には5年のロックアップを考えたら、その間にBTC価格が上昇に転換する可能性の方がリスクが少ないと思うので、BTC現物を買いたいと思います。
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4|参考データ一覧
R&I格付基準
https://www.r-i.co.jp/rating/about/definition.html
CoinMarketCapのBTC出来高
https://coinmarketcap.com/ja/currencies/bitcoin/historical-data/




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