逆イールドカーブ(=長短金利差の逆転)は、景気サイクルの後退や株式の下落を暗示すると考えられています。
今回は長短金利差チャート、ダウ平均、インフレ率を組み合わせ、どのような時に株式の下落が起こっているのか過去の傾向を考察していきます。
これを読めば、発生する可能性のあるショック安に備えたり、絶好の買いチャンスを見極めることができるかもしれません。
なるべくわかりやすく書いていきますので読んでみてください。
1|逆イールドカーブとは


ここの理屈は難しいから、結果を知りたいよって人は飛ばしてしまってもOK!
1-1|長期利回りより短期利回り高い状態
逆イールドカーブは長期国債利回りより短期国債利回りが上回ってしまう状況を指します。
通常は、長期国債を持っていた方が受け取れる金利は高くなります。
なぜなら遠い将来の方が不測の事態が起こるリスクが高く、その分の見返りとして利回りも高くなるからです。
しかし逆イールドカーブが発生している時は通常の経済の動きとは異なります。
短期国債を持っていた方が受け取れる金利が高くなります。

ちょっと難しいよ
1-2|利上げ局面で発生しやすい
逆イールドカーブは金融引き締めの時(利上げの時期)に発生しやすいです。
短期国債利回りは政策金利と連動しやすいため、急激な利上げになると短期国債利回りも一気に上昇します。
そして長期国債利回りを越えるほどの上昇を迎えると逆イールドカーブとなります。
つまり、逆イールドカーブは政策金利の利上げの状況で発生しやすくなります。

いや、すごい難しいよ
1-3|株安を予知するといわれる
逆イールドカーブが発生すると株安の可能性があるといわれます。
その理由は逆イールドカーブの発生原因である急激な利上げをすると、経済成長が止まる恐れがあるからです。
利上げをする中央銀行は経済成長を止めるつもりはありませんが、物価高(インフレ)などの経済への悪影響を解消するために仕方なく利上げしているのです。
このように逆イールドカーブの背景には経済成長の止まる要因があるため、逆イールドカーブが発生した後は株式のショック安などが発生する可能性が高くなっています。

利上げと経済成長の関係はこちらのインスタの投稿を見てください

…ボクにはまったくわからないよ

理屈は分からなくても、その後の動き方の違いが分かれば大丈夫!
2|逆イールド発生時の株の動きは2パターン

イールドカーブと株価チャートを並べてみると長期的な経済の流れが見えてきます。
ここからは逆イールドの発生から脱出した時の株価に焦点を当て、株価が「停滞する時期」「上昇する時期」の2パターンに分類をしてみました。
また、2パータンはどちらも逆イールドカーブ下という共通点がありますが、インフレ率に着目すると当時の経済の違いがみえ、その後の株価の動きも違うことがわかってきます。
パターン①|株価が下落した場合
まずは逆イールドカーブが起こっている時の中で、株価が停滞(下落)ていた時期をみてみます。
これは1967年から3回発生しています。

イールドカーブがマイナスに向かっている赤枠の時期は、株価は最大で約46%の下落となっていました。
背景:急激な高インフレ

これらの時期はベトナム戦争や中東戦争が起こっており、戦争の影響もあってアメリカは急激な物価高に頭を悩ませるようになります。
戦争と急激な物価高の影響で経済は思うように伸びず、株価も停滞ぎみの状態となっていました。
逆イールド脱出後:一気に株が上昇

チャートのピンクの時期を抜けると、株価は一旦上昇していきます。
戦争やインフレという経済を止めていた力から解放され、経済成長に繋がっているものと考えられます。
パターン②|株価が上昇した場合
逆イールドカーブが起こっている時の中で、株価が上昇を続けた時期をみていきます。
これは過去4回発生しています。

これらの期間は約10年続くこともあり、株価は185%(2.8倍)のプラスになっていました。
背景:急なインフレのない好景気

株価の上昇が続いていた時期のインフレ率は極端に上昇していません。
つまり行き過ぎた好景気(バブル経済)にならないように政策金利を上昇させ、逆イールドが発生していた状況だと推測できます。
したがってチャートの緑の時期は、好景気の状態で逆イールドが発生していたと考えられます。
逆イールド脱出後:経済ショック発生

チャートの緑の時期を抜けると、株価は下落しやすくなっています。
これは行き過ぎた経済成長と高金利によって、市場の何かしらに亀裂が入ってしまい経済ショックが起こってしまっていると考えられます。
3|【まとめ】株安になるかはインフレ率に注目

3-1|逆イールド脱出後の株価はインフレ次第
今回のデータ分析によって、逆イールドカーブを脱出した後の株の動きにはインフレ率が関係していることがみえてきました。
戦争などを理由とした高インフレ(=物価高)がある赤い枠の時期では、逆イールドカーブ脱出後にはショック安が発生しにくくなります。
一方で極端な物価高の起きていない緑の枠の時期では、株式のショック安を迎える可能性が高くなっています。

3-2|2023年以降、逆イールド中の株価下落に注意
2023年現在も逆イールドカーブは発生しています。
先ほどの分析に当てはめると、現在は戦争を起因としたパターン①に似ていると考えられます。
つまり逆イールドカーブが発生している今の時期に株価は底を打ち、脱出後に上昇していく可能性が考えられます。
現在は高インフレや金利の上昇に終わりがみえてきていますが、まだ逆イールドカーブは解消されていません。
株価上昇まではしばらく時間があり、今の時期は楽観視はしない方が良い状況に思えます。



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