4/28のブルームバーグに、気になるニュースが載っていました。
仮想通貨を担保に住宅を購入できるビジネスがあるとの内容です。
アメリカのはMilo Credit(マイロクレジット)という会社が展開しているビジネスです。

「仮想通貨を担保に!?」と驚きました。
仮想通貨は値動きが比較的激しいので担保の役割を果たすのかギモンですし、同じくリスク資産が担保となることも、個人的には危険なビジネスだと思います。
そして同時に、このニュースからリーマンショックを連想しました。
そのため、今回はこのニュースとリーマンショックの共通点をみながら、ビジネスの先に見える展開を考察してみます。
こんな人におすすめ
・仮想通貨ローンの詳細を知りたい人
・新興ビジネスが仮想通貨業界に与える影響を知りたい人
・経済ショックとの共通点を学びたい人
1|ニュースの概要

まずはざっとニュースの内容を見てみます。
- 暗号資産を法定通貨にせず、暗号資産を担保にローンを組むことができる
- 法定通貨に変えないことで税金を免れ、価格上昇のチャンスも逃さない
- BTC、ETH、USDC、UST、GUSD(ジェミニドル)に対応
- 頭金を暗号資産で払うことは既に認められている
- 今回は頭金なしで、ローン金額の100%のBTC or ETH、もしくは40%のステーブルコインの担保が必要
- 変動金利と併せて30年固定金利も登場
- 住宅ローンをまとめて証券化し、債券として売ることを検討している
2|リーマンショックを連想してしまう理由

2008年9月にリーマンブラザーズが経営破綻に繋がった背景には「住宅ローン債券」というものが関係しています。
リーマンブラザーズは、銀行から返済能力の低い人が借りた住宅ローンを受け入れ証券化、金融商品に加工して売り出していました。
これがリーマンブラザーズが破綻したきっかけの一つとなっています。

そしてニュースにはこのような一文があります。
マイロの創業者、ジョジップ・ルペナ氏はこうしたローンをまとめて銀行や資産運用会社、保健会社に売却する大型ビジネスに育てたい考えだ。証券化して債券として売る可能性も視野に入れているという。
まさにリーマンブラザーズの破綻原因と同じことをしようとしている点に驚きです。
3|リーマンショックとの共通点

ブルームバーグで取り上げられていた企業はマイロクレジットというアメリカ・マイアミの会社でした。
ここではマイロクレジットの公式サイトからビジネスの詳細を確認し、リーマンショックの発端となったサブプライムローンとの共通点に焦点を当ててまとめていきます。
3-1|ローン自体がリスク
住宅価格の高騰が続いていたため、ローン返済が滞っても担保している住宅の売却で対応可能と認識。
返済能力の低い人でもローンが組め、さらに高リスクへ。
BTC、ETH、USDC、UST、GUSD(ジェミニドル)を担保に頭金なしで借入可能。
ローン金額の100%のBTC or ETH、もしくは40%のステーブルコインの担保が必要。
仮想通貨の価格が65%以下まで下落をするとマージンコールが発生。担保が30%以下となると強制清算。
3-2|住宅ローンが金融商品に化ける
様々な住宅ローンをまとめて証券化。
証券を投資家へ売却することで、ハイリスクなローン負担は実質投資家へ。
住宅価格下落、金利上昇、投資家の証券売却は想定されず。
2023年までに複数の住宅ローン担保証券を稼働させる予定。
商業用住宅ローン担保証券は完成まであと少しの段階。(ビットコイン2022での発言)
このニュース自体いろいろ面白く、住宅を買うのにマージンコールの可能性があるなど、借り入れ側の金融リテラシーを必要とするものだと感じました。
リーマンショック時は住宅価格が高騰し、サブプライムローンの設計上、それを利用して返済能力が低くても借入ができていました。
また高リスクの住宅担保証券を低リスクの商品と混ぜることで、リスクの高くない金融商品と見せかけ、投資家に買いやすくさせていました。
さらに投資家がレバレッジをかけられるようにして、大きな利益(逆をみれば大きな損失)を得られる仕組みにしていました。
4|リーマンショックと同じ道を…

今は高インフレで住宅価格も高騰していますが、4/26(火)に発表されたアメリカ住宅関係の指標では、すでに購入者が減っていることが数字に表れています。
つまり需要を伴わない高騰となってきました。

今の投資市場は高インフレ、株高、金融緩和から引き締めへの転換など、リーマンショックと共通する点がいくつもあります。
マイロクレジットのビジネスでは、どのような形で証券化されるのかは明らかになっていませんが、サブプライムローンの金融商品と似た見せ方になるとしたら、この先の怖さがあります。
暗号資産が法定通貨に似た存在になりつつあるのは事実ではあります。
しかしその一方で
- 価格変動の大きさ
- 暗号資産を担保に簡単にローンが組めてしまう
- マージンコールが発生する可能性
- 証券化される可能性
などマイロクレジットのビジネスには少し不安があります。
暗号資産を関連させて、リーマンショックと似たような雰囲気を感じる投資市場ですが、今は暗号資産の投資はできるだけ長期で見ていく方が良いかもしれません。



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