今週FOMC議事要旨が発表されました。
発表された日とその翌日には、株と債券利回りが上昇するリスクオンの反応を示しました。
これは、議事要旨の内容や利上げ幅への新たな情報が無かったことによる反応とも考えられます。
しかし、FRBがこの議事要旨で市場に伝えたかったことは、しっかり書かれていたと思います。
今回はFRBの現状の意図をまとめました。
1|FOMC議事要旨の内容

議事要旨では以下のようなことが書かれていました。
- FRBは経済のソフトランディングよりも物価安定を重視する
- 7/26~27のFOMCでは、0.5%か0.75%の利上げが適切と見ている
- インフレ圧力の上昇が続く場合、制限的なスタンスが適切である
- (第一四半期はマイナス成長であった)GDPは今期回復傾向にあるが、2022年後半と2023年の見通しは引き下げる
今回の議事要旨には「景気後退(リセッション)」という単語が出てこなかったため、市場は一定の安心感があったものと考えられます。
というよりもFRBが言及を避けているように思います。
また利上げ幅もFOMC開催時にパウエル議長が会見で話していた内容と変わりはなく、特段のサプライズとはなりませんでしたが、個人的に大きな注目ポイントはいくつかありました。
2|FRBはこれを伝えていた!

今回の議事要旨での注目ポイントは、①「経済成長を妨げるほどの政策金利」と②「GDPへの言及」だと考えています。
2-1|経済成長を妨げるほどの政策金利
今回の議事要旨で「インフレ圧力の上昇が続く場合、制限的なスタンスが適切である」とFRBは書いていました。
制限的なスタンスとは、中立金利(2.5%)を超えるほどの高い政策金利を設定することを意味します。
つまり、経済成長を妨げる(制限する)ほどの高い金利設定が適切なスタンスであると公表しています。
中立金利の解説はこちら。
今後の状況次第でもありますが、国を挙げて経済成長を止める行動を正当化し、すでに先手を打ち始めたと考えられます。
FRBによるとリセッションはこれからのようです。
2-2|GDPへの言及
また議事要旨の中では、GDPに関して多く言及されていました。
実はアメリカの第一四半期のGDPはマイナス成長でした。
欧米では2四半期連続でマイナス成長だと、景気後退(リセッション)と認定されます。
したがって次回(7/28)に発表されるGDPもマイナス成長になると、必然的にリセッション入りになってしまいます。
今回の議事要旨では、GDPは回復傾向にあり堅調に推移していると言及され、第2四半期のマイナス成長に関して「そうならないよ~そうはならないよ~」と必死のアピールが見て取れました。
以上2つが今回のポイントだと考えています。
3|【まとめ】結局、景気後退はこれから来る…

今回のFOMC議事要旨では景気後退の表現はなかったものの、景気後退を市場に織り込ませようと必死になっているように見えます。
また6/29(水)に開催されていた、各国中央銀行首脳が集まったECBフォーラムでもFRBパウエル議長は下のように話をしています。
FRBの対応が景気後退を招く恐れがある。しかしさらなるリスクはFRBがインフレ抑制できず、今の高インフレが長期化すること。
(ECBフォーラムでのパウエル議長の発言ポイント)

気がかりなのは、すでにアメリカ株式は今年に入ってから最大で25%の下落をしていることです。
そして今はまだ高インフレがおさまらず、中立金利にも達していません。
このような背景がある時に「FRBはこれからのリセッションを警戒している」ということがFOMC議事要旨で示されました。
他にも景気サイクルとして「逆イールドカーブ」が今週再び発生するなど、本格的な景気後退のシグナルが各所で出始めています。
FRBの利上げの影響が経済に出始めるのは今年の後半から来年にかけて、もしくはそれ以上かもしれません。
4|参考データ一覧
FOMC議事要旨
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20220706a.htm



コメント