4/19にIMFが「国際金融安定性報告書」という文書を発表しました。
報告書は3章に分かれており、その最終章でDeFiに触れられています。
今回はこの報告書の中身をチェックし、IMFが仮想通貨やブロックチェーンの未来をどう捉えているかを考察します。
こんな人におすすめ
・DeFiの情報を集めている人
・IMFの仮想通貨に対する見方を知りたい人
・仮想通貨の状況を学びたい人
1|IMFが報告書を発行

国際通貨基金・IMFが4/19に国際通貨金融委員会(IMFC)を開きました。
まずはIMFという組織の役割を知っておきましょう。
世界の国際貿易、為替の安定化などを目指す国際機関。190ヶ国が加盟している。
国の収支が悪くなったりフォルトすると、IMFが融資をするなどして国際経済を支援する。
過去にはエルサルバドルがIMFからの融資を試みていたが、BTCを法定通貨にしたことで、融資は実現していない経緯もある。
世界の金融を監視しているIMFですが、エルサルバドルの件のように仮想通貨の動きにも注視していることが過去のニュースから伝わってきます。
そして今回、会合を開くと同時に2つのレポートも公表しました。
このnoteでは②の報告書に注目し、IMFがどのようなことを考えているかチェックしてみます。
①IMF世界経済見通し(World Economic Outlook)
②国際金融安定性報告書(GLOBAL FINANCIAL STABILITY REPORT)
1-1|IMF世界経済見通しの内容
ちなみに①の報告書について軽く触れておきます。
ご興味のある方はご覧ください。
①の報告書は主要メディアでも取り上げられており、世界経済の成長率を前回予測から下方修正したことが伝えられています。
【2022、2023年の経済成長予測】
どちらも3.6%(2021年は6.1%)
【下方修正の主な要因】
コロナから復活し始めている時期にウクライナロシアの動きがあり、インフレが加速していることが経済成長の重しになっている
【IMFが考える経済状況への今後の対応】
・自国のインフレ対応すべく金融引締めなどを的確に行うとともに、適切に市場に情報発信を行うこと
・環境・気候リスク低減のため、自国の削減目標を再確認し着実に取り組むこと
【IMFが考える最優先事項】
やることはいろいろあるとしても、最優先事項は「戦争の終結」である
2|IMFの報告書から読み解くDeFiへの見方

では、②国際金融安定性報告書に書かれていた内容を見ていきます。
報告書は3章に分かれており、その最終章でフィンテックについて触れられています。
IMFはフィンテックのポイントとして3つ挙げており、
①ネオバンク(ネット銀行)
②アメリカ住宅ローン市場のフィンテック企業
③DeFi
としています。
ここでは③DeFiに関わる点を中心にIMFの見方をチェックしました。
2-1|フィンテックへの急激な変化は規制監督機関にとってリスク
フィンテックはサービスへのアクセス向上というメリットがある。
一方で急激な拡大により小規模事業社が多く、既存の金融機関よりも高リスクの顧客と事業分野を扱っている。
このように急激な変化は規制監督の観点からはリスクが大きいとみており、IMFは「フィンテックは銀行など従来の既存金融を破壊」と強く懸念を示している。
2-2|DeFiは革新的なサービスだが様々なリスクがある
DeFiはここ2年で急成長を遂げており、既存金融に比べると革新的で透明性の高い金融サービスを提供できる可能性を秘めている。
一方で市場リスクや流動性リスク、サイバーリスクにとりわけ大きな脆弱性を抱えている。
IMFはDeFiに関して上記の通り「とりわけ大きな脆弱性」と表現している。
2-3|DeFiは預金保証制度が存在しない
DeFiには預金保証制度が存在しないため、サイバー攻撃の後には顧客が資金を大量に引き揚げる騒ぎが起きている。
利用者の預金全額がリスクに晒されていることが理由とIMFは考えている。
2-4|「暗号資産化」に拍車がかかっている
機関投資家の参入が増えており、従来の金融機関との関係も強くなっている。
中央銀行や銀行システムへの信頼が低い国では、自国通貨ではなく暗号資産が使われることもあり、暗号資産化に拍車がかかっている。
2-5|「統括機関がないこと」が規制監督を行う障壁になっている
業界基準や自主規制機関などの整備を検討するために、監督当局をつくりガバナンス体制の確立をするべき。
そのためにステーブルコイン発行体や暗号資産交換所(CEX)など、DeFiの急成長を加速させている事業体に重点を置いて規制を整えていく必要がある。
3|DeFiは革新的だけどやっぱり警戒

IMFは、フィンテックやDeFiを革新的で透明性のある取引になり得ると一定の評価をしつつも、その急激な拡大によって既存金融システムを壊してしまうという深い懸念を示しています。
特にDeFiにおいては、その仕組み上統括機関がないことが規制監督を行う障壁になっているとし、規制と監督方法に深い懸念を示しています。
今回のレポートには、ロシア侵攻による動きも意識したと考えられます。
ロシア制裁のひとつとしてSWIFTに制限をかけましたが、仮想通貨取引はこの枠から外れています。
IMFの指摘する通り仮想通貨業界を監督する機関がないため、対応は各取引所にゆだねられました。
また仮想通貨時価総額はGAFAMと同じ規模にまで拡大してきているので、今後の一般化においてはIMFのいう通り改善すべき部分はあると思います。
仮想通貨投資をしているとこの現状を忘れて大きな資産を入れてしまうこともあるかもしれませんが、レポートで指摘されている通り預金保証はされておらず、全ては自己責任です。
発展途上であるからこそ、いろいろなアルトコインで大きな利益を取れるメリットはありますが、まだ整備を進める市場であるということを今一度肝に銘じる必要があるかもしれません。
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4|参考データ一覧
IMF 世界経済見通し(日本語)
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO
IMF 国際金融安定性報告書(日本語)
https://www.imf.org/ja/Publications/GFSR




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