海外取引所を使って暗号資産の取引をする人はステーブルコインを必ず保有していると思います。
多くのステーブルコインは1ドルにペッグする前提で作られていますが、2022年5月にUSTがディペッグしたことで、ステーブルコインの価格の安定性に不安が広がりました。
そのため、ステーブルコインであってもしっかりと裏付け資産や信用性を確認し保有することが大切になっています。
信用性については以前の記事でまとめているので、そちらをご覧ください。
そして、2022年6月9日にはニューヨークの金融サービス局(DFS)がステーブルコインの発行要件を示したガイダンスを発表しました。
このガイダンスは、私たちがステーブルコインの信用性を確認する時の参考にもなる内容です。
そこで今回は、前回の記事で比較したステーブルコインの安全性の分析を踏まえ、金融サービス局の提示した要件をチェックしてみたいと思います。
この記事のポイント
- NY金融サービス局(DFS)がステーブルコインの発行条件を提示した
- 「BUSD」DFSの条件を全て満たすが、時価総額は少し低い点が難点
- 「USDC」DFSの条件をおおむね満たし、時価総額も高い点が良い
1|ニューヨーク金融サービス局(DFS)の発表内容

そもそもDFSとはどのような組織なのかを確認しておきます。
金融システムの安定と消費者保護のため、ニューヨークにある金融機関や保険会社の監督、規制をする機関。
このような組織であるDFSがステーブルコインを発行する企業に対し、発行の明確な基準を提示する文書を出したのです。
主な内容は次の通りです。
①裏付け資産の換金性
各営業日終了時点で発行しているコインの価値と同等を保有しなくてはならない。
事前にDFSに承認されている償還方法によって米ドル建てで償還できる必要がある。
②裏付け資産の保管
裏付け資産は発行企業の自己資産から分離させ、アメリカ政府が認可した預金機関などに保管しておくこと。
資産はアメリカ国債、リバースレポ契約、アメリカ政府が認可した預金機関に預けている預金とすること。
③裏付け資産の監査
最低月に一回はアメリカの公認会計士による監査を受け、年次報告書を提出すること。
以上の3点です。
DFSはこの3点を満たしただけで、ステーブルコインとしてDFSが認可するとは限らず、この他にもサイバーセキュリティ対策やネットワーク保守、消費者保護、発行事業者の安全性なども調査した上で許可するとしています。
また、これはニューヨークで申請されている企業が対象となるものですが、他の州にある企業が発行するステーブルコインに関しても今回の条件を満たしているかを投資家は判断していく流れになると考えます。
2|以前の分析と合わせて安全なステーブルコインを考える

以前のnoteでは、個人的には法定通貨担保型であり時価総額の高いUSDCが安全性が高いと結論づけました。
USDTは担保資産に不安を感じ、BUSDは時価総額が低いため、個人的にはUSDCの方を選んでいます。
今回のDFSによる発表基準をニューヨーク州以外でも適用されると仮定し、前回の記事での結論とあわせて、改めて考えてみます。

DFSの内容からは裏付け資産が債券や現金などが対象だったため、以前のnoteで出した一覧のうち法定通貨担保型のみ表示しています。
DFSは預金機関や公認会計士に関してアメリカに所在していることを条件としていますが、アメリカでないと信用できないわけではないので、”アメリカの”預金機関、公認会計士かどうかは考慮していません。
比較した結果としては、DFSの条件を満たすステーブルコインは、DFSが認可していたコインのみとなりました。
ただUSDCとTUSDでつけた「△」の項目は、ほぼ満たしていると考えることもできるので「〇」と考える人もいるかもしれません。
そうなれば、強いて言えばBUSDとTUSDもOKと判断できるかもしれませんね。
3|【まとめ】保有するならUSDCが無難

DFSの条件でステーブルコインの安全性を考えると、ある程度時価総額のあるコインの中ではUSDT以外は問題ないと考えることができます。
ただしUSDCとTUSDは人によってはNGとの判断になるかもしれません。
実際に保有することを考えると、ある程度流動性のあるものが良いと思うので、やはり前回の記事と同じく時価総額の高いものから選びたくなります。
結果としてはUSDCかBUSDが安全だと個人的には思います。
これらのトークンに関しては以下の理由で選びました。
- 時価総額が大きく①~③の条件を満たしていると考えることもできる。
- 換金性においては月に一回の監査時に担保を満たしている証明しかない。各営業日終了時点でも満たしているかは今回確認出来ていないので判断が分かれるところ。
- 「DFSが問題ないと認めている」という強みを持つ。
- USDCに比べると時価総額が1/3程度であり流動性の観点では多少不安。
2023年2月アメリカの規制当局がBUSD発行会社のパクソス・トラスト・カンパニーに対して規制措置を講じるとの報道があり、投資家が相次いで資金を引き揚げているというニュースが出ています。
BUSDはしばらく様子を見ておいた方がよさそうです。

DFSの管轄がニューヨークということもあり、今回の判断ではニューヨークの企業だけを対象として考えられています。
そのためニューヨーク以外の企業が発行するUSDTやUSDCに関しては、もともと言及の範囲外です。
今回の記事ではDFSの条件を当てはめて独自に考え、USDCも安全だと判断しましたが、世の中としては発表のリストに入っていないことから安全性を疑問視する人もいるかもしれません。
このようなことも踏まえ、資産の退避先としてご自身が安全だと思うステーブルコインを見つけてみてください。
この記事のポイント
- NY金融サービス局(DFS)がステーブルコインの発行条件を提示した
- 「BUSD」DFSの条件を全て満たすが、時価総額は少し低い点が難点
- 「USDC」DFSの条件をおおむね満たし、時価総額も高い点が良い
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4|参考データ一覧
DFSのアナウンス文書(英文)
https://www.dfs.ny.gov/reports_and_publications/press_releases/pr202206081





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